今年度も様々な手技療法に精通されている佐々木公一先生を講師に迎え、「操体法」を中心とした手技療法の基礎を学ぶ全5回の講義を開催しました。
日々の臨床の中で、鍼灸治療に加え、患者の身体に直接触れる手技についての重要性を日々痛感していますが、このコースは「触る」という手技療法の根本について考え、効果を再確認できる講義として非常に貴重な機会となっています。
講義の中では、患者が「気持ちいい」「楽だ」と感じる方向に動いてもらい、最後にストンと脱力することで歪みを解消することを受講者は体験できます。佐々木先生の指導のもと、「抵抗」と「つり合い」の微妙な感覚を練習し、力ずくではなく、患者の動きに寄り添うことで、驚くほど筋肉が緩む瞬間を感じ取ることができます。
またこの講義では、手技療法においては筋肉や骨格へのアプローチだけではなく、「皮膚」の動きがこれほど身体の可動域や痛みに影響しているいるのかと再認識することができます。皮膚の「遊び」を誘導するだけの非常にソフトな刺激で、身体の緊張などが変わる体験は、ただ揉むだけでは得にくい感覚であり、解剖学的・生理学的な裏付けのある確かな技術として手技療法の幅が広がると思います。
このコースを体験することで、「触れ方の質」を変えるきっかけになると思います。 「正確に触る」「相手に防御させない触り方」を学ぶことができ、「触ることによる身体の変化」をより細かく意識し、患者に触れるたびに今回の講義がより生きてくることでしょう。 「手技の引き出しを増やしたい」「もっと自信を持って患者様に触れたい」と考えている方におすすめできるコースです。
学術部 吉田和大
高齢化社会が進む中、鍼灸師や柔道整復師などの医療系国家資格者が「機能訓練指導員」として介護現場で活躍する機会が増えています。このコースでは、リハビリテーション分野の知識・経験が豊富な松村天裕先生を講師に迎え、ROM(関節可動域測定)やMMT(徒手筋力検査)などの評価法、および具体的なリハビリプログラムの作成・実施を学ぶものです。
講義は、学生時代に一度は習ったであろう内容ですが、臨床現場を経験したことで生まれる疑問や知識・技術の壁を感じているからこそ、改めて聞く話の重要性が身に沁みます。講義内容は、単なる教科書的な知識の復習だけでなく「臨床の現場でどう活かすか」という視点のもと展開していきます。
学生時代に学んだROMやMMTですが、日々の業務の中でやっているものの軌道修正ができる機会となっています。松村先生の指導のもと、正確な測定・評価を行うことで、患者(利用者)の現在の身体能力を正しく把握する重要性を再認識することができます。
また、評価結果を基に、「トイレ動作」「歩行」といったADL(日常生活動作)の向上にどう繋げるか、具体的なプログラムをどのように作成したら良いか、「症状に合わせた手技療法」や「機能訓練」をどう組み合わせることができるかなど非常に実践的な内容を学ぶことができます。
はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師は、身体的な評価について若干おざなりになっている様が散見されます。治療の前には患者の身体的な評価があり、その評価に基づく治療、そして治療効果についての振り返り、予後、中・長期的な計画といったことを体系的に学べる良い機会となると思います。改めてリハビリテーションや身体的な評価の基礎を固めたい方にお勧めしたいコースだと思います。
学術部 吉田和大
臨床の現場に立つ中で、「患者の訴えに対し、どのように治療を組み立てるべきか」「なぜこのツボを選ぶのか」と迷いが生じることがあります。そこで、基礎である中医学の診断力を高めつつ、即効性のある治療技術を習得できる機会として王醫塾で研鑽を積まれ、臨床経験も豊富な横田篤広先生に学べるコースを開催しました。
午前中では、診断学・四診合参について学ぶことができます。学生時代に一度は学んだ「弁証論治」ですが、臨床経験を経て改めて聴講すると、その重要性が身に染みます。特に、脈診(脈状診・六部定位)や舌診など東洋医学的な所見をどのように分析し、東洋医学における整体観や疾病観と照らし合わせ、患者の状態をいかにして読み取っていくかを学べるので、教科書的な知識を「使える技術」へと昇華させるよい機会となります。
午後の講義では、「困ったときのこの1本」というテーマ通り、腰痛、肩凝り、内臓疾患など、臨床で遭遇する頻度の高い症状に対する具体的な刺鍼法を学ぶことができます。単なる対症療法ではなく、午前中講義??経絡や臓腑の病理(病因病機)に基づいた選穴であるため、なぜ効くのかという理論的裏付けを持って鍼灸治療に臨めるきっかけとなると思います。
このコースを受けることで、症状に追随するだけの治療から中医学的な「整体観」を持って全身を診ることで、治療のターゲットを明確にする一助となると思いますし、治療の引き出しが格段に増える絶好の機会であると感じます。
改めて中医学の奥深さと鍼治療の有効性を再確認できる絶好の機会です。可能であれば、午前・午後通しで受講することでより良い学びとなることでしょう。明日からの臨床を変えたいと願う全ての鍼灸師にお勧めします。
学術部 吉田和大
鍼灸臨床において、低周波鍼通電療法や温灸は高い治療効果が期待できる反面、「どの程度の刺激量が適切か」「安全な通電方法は」といった不安から、使用を躊躇する場面も少なくありません。そこで、これらの技術を基礎から体系的に学び直し、自信を持って臨床に取り入れるべく、「各症状に対するパルスと温灸の実践方法」セミナーを開催しました。講師は、本校教員養成科の卒業生であり、現在は東海医療学園専門学校で教鞭を執られている餌取光輝先生です。
このコースでは、単に鍼に電気を流すのではなく、「なぜそこに流すのか」「どの筋肉を狙うのか」という解剖学的な裏付けが必要であるかを再認識することができます。特に、五十肩や坐骨神経痛といった頻出疾患に対し、対象筋を的な触診し、安全かつ効果的にパルスを作動させる手順は、非常に論理的です。
また、低周波鍼通電だけでなく、温灸の熱刺激を組み合わせることで治療効果を高める手法も学ぶことができます。熱さのコントロールや、患者に心地よさを感じてもらうための配慮、安全な操作など、教科書だけでは学べない「現場の知恵」を得ることができます。
「慣れていないので不安」という理由で低周波鍼通電を敬遠しがちな方もいるかと思いますが、このコースを受講することで不安を払拭する良い機会となると思います。特に、スポーツ障害・運動器疾患へのアプローチ法を学べるので、実際の臨床でも自信を持って低周波鍼通電を提案できるきっかけになると思います。
低周波鍼通電や温灸に苦手意識を持つ方こそ、ぜひ受講をお勧めします。
学術部 吉田和大